🌈新潟市を考えて 一般質問 ✤ 分析 ✤ 政策
1 地域と育み、個別最適、協働的な学びの場を目指して
(1) 市長の見解
【質問内容】
全国的に、子どもたちの多様な個性・特性を尊重し、とり残される子どもたちが出ないよう、個々にとって最適な学びとなるような環境づくりが目指されています。このような環境づくりにおいては、学校が所在する地域によって、子どもたちの登下校の見守りや、授業でのボランティア、学校行事の協力などが行われるなど、さまざまな場面で地域が関わり、学校と地域は不可分なものとなっているとも言えます。
核家族化や社会との関わりが希薄化しやすい時勢の中、子どもたちの成長を地域とともに育む環境は、子どもたちの地域と関わる貴重な機会であり、社会性を身に着けるうえでも大切な経験となります。
義務教育は、子どもたちの学びという側面だけではなく、自治体にとっては次世代の人材育成という側面があります。この期間に、さまざまな経験を積んでほしいものです。
本市においては、新潟市総合計画2030・重点戦略7「子どもと子育てにやさしいまちづくりと新潟の将来を担う人材育成」においては、共生社会の実現に向けたインクルーシブ教育システムの構築や、「地域とともにある学校」を目指した、地域と学校・社会教育施設の協働を掲げています。
また、新潟市教育振興基本計画にいがた学びのコンパスにおいては、基本施策9では「地域、学校、民間企業、家庭の連携・協働の推進」を掲げ、学びの環境には、もはや地域の関わりが不可欠となっていると見えます。
こうした計画が立てられておりますが、学校と地域の関わりや、多様性を大切にする、子どもたちの学びの環境について、中原市長の見解をお伺いします。
【答弁要旨】
米野泰加議員の質問にお答えします。社会情勢が大きく変化し、教育に関わる課題も多様化、複雑化する中、次世代を担う子どもたちの教育環境の整備は、本市にとって重要な課題です。
本市の最上位計画である「新潟市総合計画2030」では、「子どもと子育てにやさしいまちづくりと新潟の将来を担う人材の育成」を重点戦略の一つに位置付け、共生社会の実現を目指した教育環境の整備や、地域課題の解決につながる地域一体となった学校づくりに向け、関係機関や地域の皆様の協力を得ながら、各種の事業を展開しています。
また、令和7年度からは、教育委員会においても「新潟市教育振興基本計画~にいがた学びのコンパス~」により新たな教育の方向性を示し、多様なニーズに応じた子どもたちの教育環境の整備を進めています。
教育を取り巻く現状や社会の変化を踏まえ、将来を展望した時に必要とされる教育施策を、教育委員会と連携して着実に実施することで、市民一人一人が心豊かに暮らせる新潟市を築いていきたいと考えています。
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(2)特別支援教育について
ア 市立小・中学校における学級数の状況
【質問内容】
子どもたちそれぞれの特性に合わせた学級として特別支援学級があり、全国的にニーズの高まりがあります。本市でも増加傾向であると、言われてきたところでありますが、新年度に入ってからどのような状況にあるのでしょうか。
一方では、少子化の影響により、小中学校の学級数が減少していると聞くところですが、おおよそ、5年程度に、最近の、小中学校全体における学級数と、特別支援教育における学級数の状況をお聞きします。
【答弁要旨】
市立小・中学校児童生徒数が減少を続ける中、特別支援学級在籍児童生徒数は年々増加傾向にあり、複数の特別支援学級を設置する学校も増加しています。
市立小・中学校の通常の学級の学級数は、令和4年度1,945、令和8年度1,832と、この5年間で113減少しています。
特別支援学級の学級数は、令和4年度460、令和8年度553と、この5年間で93増加しています。
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(2)特別支援教育について
イ 個別の教育支援計画の作成の状況
【質問内容】
成長に応じ、学びをより深めるために、子どもたちそれぞれの特性に応じた支援を考えるための手法として、「個別の教育支援計画」があり、その支援計画を担任や、進学により学校が変わっても引き継ぐことが出来る方法として、本市では、令和6年度よりシステム化を順次、導入を進めてきた訳ですが、現在の実施状況はどのようになっているのでしょうか。
改めて「個別の教育支援計画」とそのシステム化の内容について、ご説明いただき、現在の「個別の教育支援計画」の作成状況と、システムの活用状況についてお聞きします。
【答弁要旨】
本市では、児童生徒一人ひとりの教育的ニーズに応じた支援を充実させるため、全市立学校園において、個別の教育支援計画等作成支援システムを令和6年度から導入し、システムによる計画の作成に順次切り替えました。令和7年度当初からは、本システムにより、特別支援学級に在籍する児童生徒に加え、通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒についても個別の教育支援計画を作成し、目標や支援を教職員間で共有しています。
特別支援学級に在籍する児童生徒の作成率は100パーセント、通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に対する作成率は、令和6年度の66.9パーセントから令和7年度は76.6パーセントへ向上しています。
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(2)特別支援教育について
ウ 学校内での共有の状況
【質問内容】
先ほど、「個別の教育支援計画」の作成率が高まり、システムの活用状況も確認したところです。子どもたちの学びの状況を記録することで、たとえ担任が変わっても、ゼロから必要な情報を探すのではなく、この計画を確認すれば、特性をいち早く理解することが可能となり、これにより、より適した学習方法を選択できれば、子どもたちにとっては、学ぶ環境上、ストレス軽減につながります。また、担当する教員にとっても、どういった学びの方法を選択したらよいか、手探りとなる場面が軽減されることになれば、両者にとってより良いものと考えます。
しかし、特別支援教育は、学級内の状況だけを見るのではなく、学校においては、交流学級、校内全体での活動がある訳ですから、学校全体での理解が大切です。「個別の教育支援計画」は、学校全体での理解につなげるからこそ、有用な方法と考えますが、学校内での共有の状況はどのようになっているのでしょうか、お伺いします。
【答弁要旨】
個別の教育支援計画は、担任だけでなく、管理職や特別支援教育コーディネーターなど関係する教職員が共有し、学校全体で児童生徒を支援するために活用します。システムの導入により、児童生徒の特性や支援の経過、効果的な支援などを校内で速やかに共有できるようになりました。これにより、経験の浅い担任であっても、過去の支援や配慮事項を参考にしながら児童生徒理解を深め、必要な支援を行うことが可能になりました。
また、担任が替わった場合や学びの場を変更した際にも、情報を円滑に引き継ぐことができるため、支援の継続性が高まり、一貫した支援体制の充実につながっています。
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(3)小・中学校の統合について
ア 学校の統合と統合に向けた検討の状況
【質問内容】
少子化の影響により、本市でも児童生徒の数が減少しています。これにより、小中学校の中には、一定人数を下回ると2個学年の授業を1つに行う、複式学級となっているところがあります。一方で、保護者などが複式学級となることを望まない場合には、学校統合を行うこととなります。
私が住む北区では、複式学級がある学校や、学校統合となる場合が見られていますが、本市全体においては、最近、学校統合により閉校した学校は何校あるのか、また、統合に向けた検討をする地域はどれほどあり、どのような状況にあるのでしょうか。
「ア」本市における、「学校の統合と統合に向けた検討の状況」についてお聞きします。
【答弁要旨】
過去10年間で、学校の統合により閉校した学校は7校あり、今後、令和9年4月には北区岡方地域、秋葉区小合地域の小中学校の統合により4校が閉校となる予定です。
本市では学校適正配置の基本方針に基づき、複式学級が生じることにより著しく小規模な状況が続く学校など、緊急性の高い学校がある地域へ情報提供を行い、一部の地域では学校のあり方自体についても検討が進んでいます。具体的な地域名や検討の状況は、統廃合が決定するまではお答えできませんが、今年度、検討を進めている7地域のうち、南区白南地域からは学校統合に関する要望書が提出されました。
今後も引き続き、基本方針に基づき、地域の声を大切にしながら取組を進めていきます。
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(3)小・中学校の統合について
イ 北区岡方地域の学校統合について
(ア)北区岡方地域の地域要望の状況について
【質問内容】
先ほど、北区について触れましたが、北区内では、令和9年4月に岡方第一小学校と岡方第二小学校が葛塚小学校と、岡方中学校が光晴中学校と、統合することが決定されています。
統合の合意までの間、保護者や地域から様々な意見が交わされたことと推察します。それまでの意見の取りまとめは、教育委員会が行うものと思いますが、どのように話し合われ、どういった要望が保護者や地域から出されたのでしょうか。また、現在、出された要望は、実現に向け、どのような検討または実施の状況にありますか。
「ア、北区・岡方地域の地域要望の状況について」お聞きします。
【答弁要旨】
岡方地域においては、自治会や保護者の代表からなる地域検討会で協議を重ね、統合前の複式学級の解消や統合校との交流学習、スクールバスの運行、閉校後の施設のあり方などについて意見をまとめ、要望書として提出いただきました。
要望を受け、昨年度から学校統合に向けた実行委員会を組織し、児童生徒の交流活動計画、スクールバスの運行ルートや停留所の場所などについて、地域や保護者、学校が一体となって準備作業を進めているところです。
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(3)小・中学校の統合について
イ 北区岡方地域の学校統合について
(イ)廃校後の施設の活用について
【質問内容】
岡方地域の地域要望の状況を確認しましたが、要望内容には、避難所をはじめ、地域による今後の施設の活用について組み込まれることが多いと思われます。
学校統合が完了すると、岡方第一小学校、岡方第二小学校、岡方中学校の3つの施設が廃校となる訳ですが、廃校後の施設の活用について、要望書が出されてから現在まで、どのような検討や決定がなされていますか。「イ.廃校後の施設の活用について」お聞きします。
【答弁要旨】
岡方地域の住民の方々からは、具体的な施設活用方法として、小学校2つを電気、水道を残した避難所としてほしいこと、また体育館も引き続き使いたいことを要望としていただきました。それらも踏まえ、市の全体的な方向性をまとめた上で、岡方地域には5月15日に、説明しました。
説明のポイントとして、要望内容をできるだけ叶えるように検討した結果、「小学校2つは、ライフラインを残して、一時避難場所などとして、10年間利用いただけること」「活用しない建物は解体計画を策定すること」また、「民間から施設の取得や活用の希望がある場合は、施設の中に避難所機能を残すといったことを民間と調整の上、売却すること」などをお伝えしました。
今後、速やかに地域に入り、具体的な活用施設の選別や維持管理する上での役割分担や利用条件などを決めていきます。
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(3)小・中学校の統合について
ウ 統廃合に伴う学校の機能面の維持の合意について
(ア)避難所施設としての機能面
【質問内容】
学校は、確かに、一義的には子どもたちの学びのための施設であり、子どもたちの学びの環境をどうするか、この点が優先されることではあります。しかし、その一方で、子どもたちの学びの過程には、地域との関わりが重要とされ、地域も子どもたちの学びの環境に協力し、深く関わっていることが現状です。学校が「学びの場」というだけでなく、「地域にも大切な場」となっています。学校が存続していれば、災害時には、最寄りの学校へ避難することが当然です。廃校となると、状況が変わります。
北区における、岡方地域の学校統合の場合、小学校を統合させるにとどまらず、中学校区単位での統合となります。中学校区単位となると、学校統合後に「避難所がどうなるのか」といった点は、地域においては要望項目の中でも、特に重要であると思います。
一時避難所が設定されるにしても、避難時には、飲み水や排せつが出来るのか否かは、欠かせない問題です。また、避難が長期に渡りそうな場合、避難する場所を移動する必要があるのか否かの検討も欠かせません。避難所の取決めは、生命に関わることですので、要望項目の中でも、特に重きがあります。
災害は、時期を選んではくれません。廃校後の避難行動はどのようなものとすべきか、避難所は廃校となった校舎を継続して使用するのか、別の施設となるのか、など、避難所機能をどの施設に持たせるのかということは、要望書となる段階で、その方向性が定まるようにしておくべきと考えます。そのためには、関係部署において十分な情報共有が不可欠です。
以上から、避難所施設がもつ機能面の維持の合意において、学校統合の話し合いの段階で関係部署に十分共有されるべきと考えますが、いかがでしょうか。
【答弁要旨】
岡方地域をモデルケースに「公共施設再編による廃校などの活用についての対応」方針として市長から新たな指示がありました。
学校の統廃合の検討が本格化した段階で地域から要望が出た場合は、要望実現にあたり必要な機能を果たすことができる施設はどこかなど、地域と区役所で協議し要望の実現に努めること、また、関係部署も積極的に協力していく方針です。
具体的には、廃校になる学校以外に地域が求める機能を果たせる施設がある場合は、その施設を活用することを前提に検討すること、学校しか活用できない場合は、安全に利用できる期間を地域に示し、必要となる施設の利用範囲を決定し、使用目的に応じた電気・水道などの利用条件を地域とともに設定していきます。
なお、売却後の民間施設が防災機能を果たすことができる場合は、「原則、売却」とし地域に明示する方針です。
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(3)小・中学校の統合について
ウ 統廃合に伴う学校の機能面の維持の合意について
(イ)地域の活動やスポーツ等の施設利用としての機能面
【質問内容】
地域によっては、学校統合以前から継続される地域のスポーツ等の活動があったり、また、子どもたちのクラブ活動の場所として、学校施設を利用している場合があります。廃校になると、これまで利用できた場所が減ることも意味しています。
こういった施設利用についても、要望書が出されるまでに、施設の扱いについて関係部署と連携ができるようにすることが望ましいと考えますが、いかがでしょうか。
【答弁要旨】
地域の活動やスポーツ等の施設機能についても、避難所機能と同様に、売却により民間施設がその機能を果たすことが出来る場合には売却を検討しますが、学校以外に活用できる施設がない場合には、地域の要望に基づき庁内協議を行います。その際には、全庁的な協力体制のもと、要望の実現に努めます。
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(4)特認校制について
ア 特認校制に対する所見
【質問内容】
特認校制は、平成9年に、文部科学省により「通学区域制度の弾力的運用について」各都道府県教育委員会教育長に通知された、「学校選択制」の枠組みの中の一つの制度であります。
児童・生徒が、特定の通学区域に関係なく、希望により就学できる制度であり、特色ある教育活動を行っている学校や、少人数で教育水準の高い学校に通いたい児童・生徒の意向を受け入れる仕組みとなっています。特認校制度は、自治体が独自に設定した選考基準により入学を認めることが出来るとされます。
制度の通知から、30年ほど経とうとしています。文部科学省公表の「令和7年度 学校規模の適正化及び少子化に対応した学校教育の充実策に関する実態調査」では、全国で「小規模校がある」と回答した728市区町村のうち、「小規模校のデメリットを最小化させる取組」を実施する520市区町村ある中で、小規模特認校の導入数は400校を超え、時代の経過とともに一般的な制度となったものと取れます。特認校制の中でも、小規模特認校と呼ばれる、少人数教育を行う仕組みを導入する学校が多く見られます。
本市では、導入されていない制度でありますが、全国的な動向を踏まえ、小規模特認校の制度に対する所見をお伺いします。
【答弁要旨】
小規模特認校制度は、地域の特色を生かした特色ある学校づくりを推進して小規模校の活性化を図るとともに、その小規模校で教育を受けたいと希望する児童生徒に、特例措置として学区外からの入学を認めるものです。
本市でも、先進地を視察し、研究を重ねており、いずれの事例も、自治体の事情、学校の状況や地域の教育に関する考え方は様々ですが、本制度は多様な選択肢の一つであると受け止めています。
1 地域と育み、個別最適、協働的な学びの場を目指して
(4)特認校制について
イ 本市への導入可能性
【質問内容】
今年4月に、翔政会の有志議員にて、特認校制を導入する、長岡市立太田小学校・中学校を視察しました。
太田小中学校は、「少人数指導」「小中一体の行事や活動」「地域と共に創る感動体験」を特長に、教育活動を推進する小規模特認校です。小学校と中学校が連携し、9年間を見通した教育とする、小中一貫校となっています。
長年にわたり小・中学校が連携し、学校と地域が一体となった教育活動を展開しています。平成12年4月から、小・中学校が同じ校舎を使うとともに、希望する学区外の児童生徒が就学できる、オープンスクールが実施されています。実施においては、地域の積極的な動きもあったとされます。太田小・中学校には、地域の方々を含む「太田オープンスクール推進協議会」があり、保護者の要望の取りまとめを行い、状況把握がなれています。
児童生徒の募集に際して、学校の教育方針に賛同できること、通常学級の枠での募集であること、スクールバスでの送迎は実施しないこと、小学校からの転入の場合に原則として中学校も太田中学校を通学することなどを説明会で十分ご理解いただき、通学の体験期間を経たうえで入学する、流れとなっています。
太田小・中学校では、地域と連携し、地域の環境を活かした特色ある教育が行われ、実際に子どもたちが伸び伸びと学ぶ様子を拝見させてもらい、有用な制度であると感じました。
本市では、特認校制を導入していませんが、本市においても少子化により小規模となっている学校が存在しています。校区外の子どもたちの受入れに関心がある地域もあると思いますが、制度を導入する場合、どのような基準、条件がそろうことが必要なのでしょうか。本市への導入の可能性をお聞きします。
【答弁要旨】
小規模特認校制度の導入には、学校が小規模であることに加え、地域の特色を生かした学校づくりが求められます。また、転入児童生徒を受け入れる地域の理解や、学区外通学に伴う安全な通学方法の確保などを十分に考慮する必要があります。
本市では、「新潟市立小中学校の適正配置基本方針」に基づき、地域の合意のもと、学校規模の適正化に取り組んでいます。今後も学校や地域の実情、通学条件など様々な事情を踏まえ、引き続き地域の皆さまと丁寧に話し合いを行っていきます。
2 市民生活を守る保安林の維持について
(1)松くい虫被害の状況
【質問内容】
本市では、海岸沿いに保安林が広く生息し、風や飛砂から市民生活を守ってくれています。保安林を維持するために、毎年、本市でも様々な対策を講じていただいていることには感謝の限りです。
継続した対策を行っているのではありますが、昨年は、松くい虫の被害が著しかったと、北区でも地域の方々からお聞きします。ここ数年、気温が高くなる期間が長くなっているように感じられますが、気象庁のホームページで公開するデータから計算すると、令和7年は、平均25℃以上の日数は82日、最高気温が30℃を超えた日は70日もありました。ここ数年、日数増加の傾向が見られます。
松くい虫による枯れ木被害が、暑さが影響するとする他都市の報道で見られますが、本市における被害は、各区での被害本数など、どのような状況にありますか。市内における、松くい虫の被害状況をお聞きします。
【答弁要旨】
本市の松くい虫被害の状況ですが、過去3年間の被害本数は、令和5年度が6,592本、6年度が6,917本、7年度が1万460本となっています。
区別にみると、北区、西区、西蒲区の被害で全体の9割以上を占めており、過去3年間の内訳は、5年度は北区が1,923本、西区が2,069本、西蒲区が2,227本、6年度は北区が1,294本、西区が2,607本、西蒲区が2,781本、7年度は北区が2,274本、西区が4,973本、西蒲区が2,962本となっています。
2 市民生活を守る保安林の維持について
(2)薬剤散布と対策
【質問内容】
昨年は、非常に多くの被害が本市もあったことが分かりました。松くい虫の被害は、松くい虫自体による被害と言うよりも、松くい虫の成虫に潜む線虫が原因とされます。
被害を予防し、また、拡散させないためには、時期を見ながらの対策を要するとお聞きします。本市でも薬剤散布や伐倒などの対策が行われているものと思いますが、時期によってどのような対策がなされているのでしょうか。
また、保安林には、新潟市が保有する土地に生息するものと、民地に生息するものがありますが、どのように対策しているものでしょうか。
【答弁要旨】
松くい虫被害は、マツノザイセンチュウという目に見えない線虫がマツノマダラカミキリを媒介することによって、松が枯れていく伝染性の病気です。
マツノマダラカミキリは、枯れた松の中で卵からふ化し、その幼虫は松の中で3回の脱皮を経て蛹となり、6月上旬頃から8月中旬頃に枯れた松から成虫が脱出し、健全な松に移動します。このため、5月中旬から6月上旬までの初夏の期間に、無人ヘリやドローン、動力噴霧器による薬剤散布を実施し、成虫を駆除しています。
また、枯れた松はマツノマダラカミキリの卵や幼虫の住み家となるため、12月頃から5月末までの冬から春の期間に、被害を受けて枯れた松の伐倒・くん蒸を行っています。
さらに、松の中に侵入したマツノザイセンチュウの増殖を阻止するため、効果が最も発揮できる12月から2月までの松の樹液の流動が休止している冬の期間に、薬剤の樹幹注入を実施しています。
なお、本市が所有する土地と同様に、民有地においても所有者の同意を得たうえで対策を実施しています。
2 市民生活を守る保安林の維持について
(3)予定される散布時期よりも早い時期に発生した場合の対応
【質問内容】
地域の方々から、枯れ木が増える時期が早まっている、といったことや、松くい虫が成虫になる時期が早くなっているのではないか、といったお声をお聞きします。こういったお声の中には、成虫となる時期が早まれば、薬剤散布の時期も早めた方が良いのではないか、と言ったご意見をいただくのですが、直近の枯れ木被害の多さをからも、心配になるのは当然と考えます。そこで、「予定される散布時期よりも早い時期に発生した場合の対応」について、お聞きします。
【答弁要旨】
松くい虫対策は、それぞれの対策を適期に実施する必要があります。
新潟県森林研究所では、マツノマダラカミキリの飼育調査により、平成25年度から十数年間の発生時期と気温の関係のデータを蓄積しており、本市ではその調査結果を踏まえ、悪天候による作業の延期の可能性なども考慮し、5月中旬から6月上旬までの期間に薬剤散布を実施しています。
薬剤の効果の持続する期間は2か月程度であり、マツノマダラカミキリは6月上旬頃から発生し、7月上旬をピークに8月中旬頃まで発生が続くことから、薬剤散布の時期を早めた場合は、遅い時期に発生する、マツノマダラカミキリへの効果が薄れる可能性があると考えています。
今後、県の調査で、発生サイクルが早まっているという結果が出た場合には、散布時期を早めるなど、適切な防除時期を設定していきます。
3 障がい福祉施設を取り巻く環境と人材確保に向けて
(1)本市における各施設のニーズと人材の充足状況について
【質問内容】
家族構成の変化や、利用者のニーズが変化する中、障がい福祉施設での人材の確保・定着は、障がい福祉サービスの安定的な提供において重要な課題です。
障がいがある家族の世話は、家族で行いながらも、生計を立てるために仕事をする必要があったり、兄弟が必ずしもいるとは限らない時代となり、親が、障がいのある子どもの将来の心配に対し、障がい福祉施設が支えとなっています。
北区内の施設の中でも、昼間の人材の確保ができても、夜勤の枠の確保が難しく、利用したいという声に応えられない状況がある、という悲痛なお声をお聞きします。
そこで、本市内の障がい福祉施設における人材確保をはじめ、施設が抱える課題にはどのようなものがあるのか伺います。
【答弁要旨】
障がい福祉施設においては、条例に定める人員基準に基づき、利用者数に応じた数の従業者を配置する必要があります。事業者からは、有資格者の配置が必要な職種や、強度行動障がいを有する方や医療的ケア児・者など手厚い支援を必要とする方を介護する従業者、さらには、夜勤を担う従業者の確保・定着に苦慮しており、入所施設の一部においては、従業者が充足しておらず、定員の一部を受け入れられていない施設があると聞いています。
3 障がい福祉施設を取り巻く環境と人材確保に向けて
(2)課題と取組について
【質問内容】
障がい福祉施設を取り巻く人材不足が全国的な課題でもありますが、本市においてもサービス提供体制の維持・充実が求められています。とは言っても、力仕事の側面があったり、精神的にも容易ではない職種であると認識しています。
本市内の障がい福祉施設における人材不足が生じる背景には、どのような課題あると把握していますか。また、その結果を踏まえた人材確保・定着に向けてどのような取組が行われているのか、伺います。
【答弁要旨】
全国的にも、障がい福祉分野における賃金水準は、全産業平均に比べて低い状況にあり、事業者の経営実態に見合う報酬水準を確保し、良質な人材の確保を図る必要があることから、本市としては、報酬の引き上げを中心とした処遇改善の取組みなどについて、引き続き、他の政令指定都市と連携して国に要望していきます。
現在、人材が不足している中で、身体的・精神的な負担や、特に夜勤を伴う入所施設の従業者においては不規則な勤務による負担などから人材の確保・定着が困難となっているため、本市では「強度行動障がい児者支援職員育成事業」や「医療的ケア児等コーディネーター養成研修事業」を実施し、支援力を向上させることにより負担軽減を図り、人材の定着に努めています。
3 障がい福祉施設を取り巻く環境と人材確保に向けて
(3)持続可能な職種となるために
【質問内容】
継続して働くことは、意外と簡単なことではないと思います。継続して働くことができる背景には、職種への生きがいや、安定した職場環境、良好な人間関係など、人によって異なるものでもあります。勤務姿勢に対する表彰といったことも、長く勤務する動機付けの一つとなると考えます。
例えば、本市では、高齢者の介護の分野においては「優良介護事業所・職員表彰」を行っている訳でありますが、同じ福祉分野ではあるものの違いがあることに、羨ましさを感じるというお声があります。
継続して勤めること自体が容易ではないことを考えると、表彰は、ささやかな手段でありますが、職種に光を当てる、応援するという点でも、有用な方法ではないと思います。「持続可能な職種となるために」も、いかがでしょうか。
【答弁要旨】
議員御提案の表彰制度については、障がい福祉の仕事に対する理解促進や、従業者のモチベーション向上のために有用な方法の一つとなりえると思われます。人材不足は全国的な課題でもあり、表彰制度も含め、他都市における先進事例について情報収集するとともに、引き続き、事業者の声を聞きながら、やりがいをもって働き続けられるような職場づくりを支援していきます。
4 新潟水俣病について
(1)このたびの地裁判決になぜ控訴したのか。
【質問内容】
新潟水俣病は、高度経済成長期において、我が国が豊かで快適な社会の実現を追求してきた一方で発生した公害による健康被害であり、1965年5月31日に公式確認されて以来、現在に至るまで、阿賀野川流域の住民や地域社会に影響を及ぼしてきました。
私としては、新潟水俣病は、水俣病、イタイイタイ病、四日市ぜんそくと並ぶ四大公害病として、教科書に掲載されるほどの歴史的なものであり、公式確認から60年以上が経過しましたが、今もなお、多数の方々が救済を求めている現状は、大きな問題であると思います。
新潟水俣病の認定患者には、公害健康被害の補償等に関する法律に基づき、補償費や医療費給付がありますが、認定審査は、国に代わり自治体が担う法定受託事務として、県と本市が処分を行いますが、処分は環境省が示した基準に沿うものであり、1977年に環境省が認定基準を厳格化した以降、認定申請の棄却が頻発し、認定や賠償を求める訴訟が、数多く発生しました。
過去には、1995年及び2009年、二度の政治解決が図られましたが、今もなお、国や原因企業、または、自治体を訴える訴訟が続いています。
そのような中、新潟県と新潟市に対し水俣病の患者認定を求めた訴訟の判決が、本年3月12日に新潟地方裁判所で成され、新潟県内の8名の方々全員について患者と認めるよう命じました。
この地裁判決結果を巡り、原告や被害者団体の皆様の要請や声明、または、報道機関や有識者による見解など、数多くのメディアから、様々な報道が行われました。
また、この訴訟の被告である本市は、この度の判決結果を踏まえた対応を如何にするかが争点となる中、本年3月26日、県と本市は、東京高等裁判所に控訴する判断に至りました。
様々なご意見、お考えがあると捉えていますが、この度、地裁判決になぜ控訴したのか、市長の見解を伺います。
【答弁要旨】
この度の地裁判決では、法定受託事務である水俣病の認定について、国の認定基準に従い行った行政処分と、司法の判断に乖離が生じる結果となりました。
本市としては、水俣病の認定基準にあいまいな点があることが、この問題の根本原因ではないかと考え、環境省の担当者を直接呼び、疑問点である「法定受託事務である認定審査の基準を市で変更することは可能かどうか」について問い質したところです。
環境省からは「水俣病の認定審査は、公健法に基づく法定受託事務であり、その性格上、判断条件は、国が統一的な運用となるよう定めており、これらの基準を自治体の判断で変えることは許容できない。」との正式回答がありました。
また、環境省に対し「水俣病の認定基準の見直しの検討を行ってほしい」旨要望しましたが、環境省からは「現行の認定の枠組みは、これまでの最高裁判決において否定されておらず、この度の新潟地裁判決で認定基準を見直すことは考えていない。」との回答に加え、「法定受託事務の執行に当たっては統一的かつ安定的な運用をすることの重要性への理解」を求められたところです。
そのため、新たな認定基準が示されない限り、今後の認定審査の継続が困難となり、新たに救済を求める被害者を救済できなくなるという著しい混乱が生じかねない事態を憂慮するに至りました。
この度の控訴については、これらの様々な観点から総合的に検討した結果とはなりますが、市民の命と健康を守るべき市長としての立場と、法定受託事務を執行する責任者としての立場との2つの立場の中で、7年もかかり訴えが認められた原告8名の方々を控訴せざるを得なかったことは、大変心苦しく、断腸の思いでの決断であります。
4 新潟水俣病について
(2)全ての被害者の救済に向けての考えは
【質問内容】
本市は、市長、議長名で行っている国の施策・予算に対する提案・要望等の一環として、令和元年度から、「すべての水俣病被害者の救済に向けた取組の推進」と題し、環境省への要望活動を行っています。
本年度は、本市の重点要望項目と位置づけ、「水俣病の被害を受けたすべての方々の早期救済と水俣病問題の終局的な解決を図ること」を主な要望内容として、今月5日、市長が友納環境大臣政務官に面会し、要望を行ったと承知しています。
新潟水俣病の公式確認から60年以上が過ぎ、被害を訴える方々の高齢化が進む中、新潟水俣病の発生地域の首長として、すべての水俣病被害者の救済は、喫緊の課題と認識していますが、どのような考えで解決に臨むのか伺います。
【答弁要旨】
現在、水俣病の救済は公害健康被害の補償等に関する法律、いわゆる公健法に限られており、今ほどお答えした通り、認定基準の見直しなどは環境省しか行うことができません。
同じ公健法の基準で認定事務が行われている熊本県や鹿児島県とは、原因企業や地理的な状況に違いはありますが、制度の見直しを実現するためには本県、本市をはじめ各県が一緒になって声を上げ続けなければなりません。
また、水俣病問題の解決に向け、過去2回政治的解決が行われています。公健法の認定基準の見直しが実現すること、また、政治的解決が再び実現することのどちらも大変困難なことであることは承知していますが、いずれにしても、本県をはじめ関係する各県選出の国会議員など関係者が一つにまとまり、さらに最終的にそれらをまとめ決断する大きな政治力が、終局的な解決に向けて必要となる、大変大きな問題であると考えています。
4 新潟水俣病について
(3)それを実現するためにどのように行動するのか。
【質問内容】
昨年の9月議会では、本市議会は新潟水俣病の被害者団体の皆様の請願を採択し、「新潟水俣病全被害者の救済と問題解決に向けた取組を求める意見書」を、内閣総理大臣をはじめ関係閣僚、そして衆参議長宛てに提出しました。併せて、県議会、そして県内全ての市町村が同様の意見書を提出しました。
本県全ての自治体の議会が足並みを揃えた活動は、極めて画期的な出来事と捉えています。
今ほど、すべての水俣病被害者の救済に向けた考えを伺いましたが、本県全ての自治体・議会が賛同を示している中、それらを実現するためには、どのように行動するのかが重要と思いますが、市長の見解を伺います。
【答弁要旨】
水俣病の被害を受けたすべての方々の早期救済と水俣病問題の終局的な解決を図るため、今後も環境省に対し、粘り強く「水俣病認定に係る処理基準の見直し」などの要望を重ねていきます。
このことに加え、これまでの2度の政治的解決を踏まえ、3度目の政治的解決を実現するためには、与党の政治家の力が必要不可欠であると考え、今年に入り、自由民主党の政務調査会長に要望を行うとともに、熊本県選出の国会議員とも意見交換を行ったところです。
今後も、新潟県をはじめ関係者の皆さんとしっかりと連携を図り、水俣病の早期かつ終局的な解決に向け、できることに全力で取り組んでいきます。
