📔やすかのブログ
新型コロナウイルスをめぐる情勢の考察
新型コロナウイルスの存在が明らかとなった1月下旬から、4か月が経過しました。日本で感染者が確認され、感染者が増加し始めた頃から感染率が高いように見えていましたが、やはり終息は容易でない状況にあります。
日本はじめ、予防対策のうえで早期にマスクを用いる国では感染の拡大が抑えられているとし、世界的にもマスクの着用が評価されています。感染対策は、早期からの意識的な予防が最も重要であると言えます。この新型コロナウイル感染の封じ込みの可否は、早期の対応ができたか否かではないかと思います。
世界的には、欧州において感染拡大が進行する中で、デンマークは早期に都市のロックダウンを行い、感染数に歯止めをかけています。経済活動とのバランスを考えると、ロックダウンの決断は、簡単な判断ではありません。ロックダウンをしないことで維持できる経済利益と、感染者対応の医療費や公衆衛生等の費用、感染者数増大による長期化で失う損失を比較し、時期を見極めなければならないからです。
日本の場合、当初の政策は、例えば、全国一斉休校にした際に、児童が通学しないことで各家庭や会社等に及ぼす影響が考慮されていないなど、各分野ごとに断片化されたなものようにみえました。その中、緊急事態宣言の発令は、各都道府県の越境制限の必要性や、事態の重要性といった国民への意識づけには欠かせなかったと思います。
一方、新潟市の場合、国の施策を待って施策するといった鈍い対応のようにみえました。これは、市としての感染症のリスク対策の方針が、まったく考えらていなかったからではないでしょうか。この度の状況を機に、感染症の拡散が想定される場合に、感染率やウイルスの脅威の程度に応じて、特に短期ごとに施策実行期間の見通しがたつガイドラインが策定されることを強く望みます。
感染症は、人が移動すれば感染リスクが伴うものです。とりわけ、性別や業種といった特定の属性に限るものではなりません。そのため、対応策は、各分野が断片的にならないよう講じていく必要があります。そして、早急に対応すべき分野を、市の対内として事業者・小中学校・介護等の福祉・一般家庭、対外として帰省や異動者・観光、それぞれの分野を同時進行に、感染率の段階別の政策を行うべきであると考えます。
これまでの市の対応として、例えば、事業者向けについては、飲食店等の休業・自粛要請につき、時期や対象業種の周知が明確であったか、不安を抱える事業者への相談窓口の早期設置とその設置の周知は十分であったのかという点や、今回は緊急事態宣言を受けてからの行政からの要請だが、感染率の状況によっては国策を待ってからの対応でよいのかといった疑問があります。
介護等の福祉分野についても、事業者向けの対応が国の施策を待っての対応のようにみえました。施設や職員の衛生管理の基準をはじめ、施設入居者と外部者との接触制限、デイサービス利用者の感染状況に応じた利用制限や、利用日における事前の健康観察等についても、どのように行っていくとよいのか判断が容易でないと思います。市としての一定の方針が設定されている方が、福祉事業者の方たち施設運営、利用者への感染防止策がしやすくなるのではないでしょうか。
学校については、特に小中学校では、『全国一斉休校→緊急事態宣言により休校延長→宣言解除の後に分散登校→通常時に戻すための少なめの時間数での登校(分散登校は終了)→6月から通常登校』という流れがとられています。休校時においては、学童保育(ひまわりクラブやデイサービス等)での預かり、学童保育へ通わない低学年や特別支援教育の児童の学校預かりがなされています。私は学童保育で就業したことがあり、休校時の預かり人数の多さを認識していたので、各施設で預かる場合、人数という点で極端に多すぎる場所が出てはいないか懸念しておりました。3密を避けるべきであるのに、密になる状況を生んでいないか、各施設を稼働させる場合には、人数をふまえた預かり体制を整えておく必要があると思います。また、児童が感染していた場合の対応基準や、国が施策する前に市内で感染者数が増えた場合に児童の通学をどのようにすべきか基準を設定しておくべきだと思います。
そして、休校中にどのように学習を補填すべきか、この点も大切です。宿題やインターネットを利用した方法がありますが、配信する場合は早いめに対応することが望ましいと考えます。ただし、小学校はじめ基礎を学ぶ時期においては、科目によっては対面授業であるからこそ児童の理解が進むものもありますので、ネット配信は、補完的な方法であると思います。
この度は、国の方針として全国一斉休校が先立ちましたが、時には新潟市が独自に政策を打たなければならない状況も考えられます。この場合、どの時点で分散登校とするのか、またインフルエンザのように学級(または全校)閉鎖とすべき時点をどうするのか、基準を策定した方が現場への混乱や不安といった支障を緩和できるのではないかと思います。
そして、一般家庭についてですが、感染の把握が今後の施策決定に不可欠ですので、懸念がある場合には検査が実施されなければなりません。検査の手順や検査のための市内の窓口が明確であったか、感染者数が急に増加している場合にも対応できるものであるのか、市民としては気になるところです。また、この度は、特徴的な症状がない場合や、新潟市では感染源が特定できない市中感染が見られるため、検査対象が狭まりすぎないようになされるべきす。
他方、対外としては、休業や休校に伴う帰省者への対応、会社の人事異動に伴う移動者への対応をはじめ、観光においては、空港や港でのチェック体制や、旅行者の宿泊先で発症した場合の滞在場所(ホテルや民宿等の施設)との連携が大切です。新潟市ではクルーズ船が寄港していますが、今年は、22寄港予定のうち、現時点で15の寄港が中止となっており、直近では全面中止の状態です。観光資源を増やそうとしている最中ではありますが、水際を守る不可欠な判断であると思います。
新潟市での感染が停滞した今、第二波を食い止めることを念頭に置き、水際の対策と再度の感染増加に備えた対策を用意し、市民生活を取り戻せる日が一日も早く到来することを望む限りです。
📝現在、国をはじめ、県や市において相談窓口や助成等の各種情報が発信されております。
新潟市、新潟県のホームページでの案内をリンク貼らせていただきましたので、ご参照ください。